雑談BBS 137013


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15/8/14 BBSを整理整頓しました。少しは見やすくなったと思います。
15/8/14 BBSの注意事項を緩和しました。原因はポケモンコントが想定以上に荒れている為…なのですが。



長編4話5話外伝

1:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/11/18 (Sun) 21:43:32

*注意書き*
この物語には「死」や「殺」のような中傷的な表現が含まれる可能性があります。
不快な思いをされる方は読まないことをお勧めいたします。
尚、この物語はフィクションです。ご理解のほど宜しくお願いします。
2:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/11/18 (Sun) 21:58:01

*登場人物1*
ミズハ(容姿年齢:17~18歳、性別:♀、種族:???)
 主人公。長編4話で登場。水色のチョッキに青の中ズボンを履いている。髪の毛は青色の長髪でお尻ぐらいまである。但し普段は男装をしているためキャップ帽子に強引に髪をしまい短髪のように見せている。

 種族が定義されておらず本人も曖昧である模様。ただ、容姿はどう見ても人間であるため人間という形で生きている。とはいえコミュ力がないため人間達からハブられるのではないかと時々思い返す時もある。

 他のあらゆる生物から力や技を奪うことができ、奪った技を奪った力を用いて行使することが可能である。とはいえ、本人は争いが嫌いな性格なため乱用はしない模様。波乱万丈な人生を送っているため普通な平和的日常を一応は望んでいる。
3:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/11/18 (Sun) 21:59:13

*登場人物2*
アマミ(容姿年齢:12~13歳、性別:♀、種族:魔女)
 サブ主人公。長編5話で登場。緑と黄緑のチェック柄が入ったジャンバースカートを履いている。スカートの丈は短め。魔女用のつば付きとんがり帽子も被っている。なお、顔の左側全体にかけて幅数センチ、薄ピンク色の十字線痕が付いている。

 一応種族は魔女ではあるが見かけからはどう見ても小学生の女の子。本人はとんがり帽子を被っているから魔女と言っているものの言われない限り魔女と気づくものは早々いない。

 彼女は魔女であるが魔女としての能力は現時点で全く不明である。ただ、能力的に強い弱いはさておき相当な天然キャラなため彼女がいるだけで周りが掻き回されたり収集困難に陥ったりする事態が発生することもある。
4:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/12/06 (Thu) 22:18:45

「うわーん…歩き疲れました!!!」
「そ、そんなこと言われても…」

 僕らは現状旅の途中。まあ、大体故郷から出てそろそろ1週間近く経つ。厄介なのは、食料確保のためのお金は持ってきたんだけど…まあ、故郷の都合上で1週間分が限界だったんだよね。移動手段用とか宿泊費は全て0。もう何回野宿に費やしたかわからない。うん。

「ミズハさんー。何処かに泊まるところはないんですか!!」
「………」

 いや無いから!僕だって野宿ばっかりは嫌だから!

 とはいってもなあ…お金がない以上どうしようもない。アマミちゃんには何も伝えていないし…伝えるとなにするかわからないんだよね。あの性格だと。

「…あ、見てください!何かが見えます!」
「うん?あれは…村かな?」

 村ならラッキー。食料を買える。持ち歩くとかさばるので、今までの通ってきた町や村でも最低限の食料しか買っていない。

 後、アマミちゃんのよくわからない能力でそこら辺に生えている植物系のものは食べれる食べれないがわかるらしい。どういう能力だよ。

 まあ、その縁もあって辛うじて食だけは繋いでる。他?知らないそんなものは。

「ミズハさん!!あそこなら宿ありますよね?泊まれますよね!」
「あー、仮に寄ったとしても…少し情報収集したらすぐ出掛けるよ。」
「どうしてですか!たまにはゆっくり休みたいです!!」

 無理だよ!お金がないんだよ!どうしてこうなったのかわからないんだよ!

 あー、もう…この旅は地獄になることは目に見えていたのに…どうしてアマミちゃんついて来ちゃったのかなあ…。

「まあ、食べ物を買う都合があるのと…後、何処かで稼ぐ必要性があるかも…」
「稼ぐってなんですか?」

 ちょっと待とうか?

「え…ほ、ほら…宿に止まるならもう少しお金が欲しいかなって…」
「ずるいです!お金欲しいです!」

 意味わかってるのかなこの子?アマミちゃんは色々頭が残念な子だからね。もう諦めたよ。

「まあ、どっちにしてもあの村か何かで情報収集は必須だよ。このままじゃ僕達旅だけで死んでしまう。」
「ギャー!嫌です!死にたくないです!村を制圧します!!」

 意味わかんねえよ!制圧?What?

 とかなんとかいってるうちに、到着した。やっぱり村みたい。それほど大きいとは言えない。…宿はまだしも食料を収集できないと流石にヤバイ。雑草だけの食事じゃガチで死ぬ。

 いや、厳密には野生生物もいるのでそれを狩ると言う荒業もあるのだが…狩ることが出来てもどう食べればいいのかわからない。アマミちゃんも動物系の毒の有無は微妙らしいのと…料理する道具なんて持っていない。更に、そもそもアマミちゃんが…

「動物さんを殺しちゃ駄目です~!!」

 呑気なこと言ってるんだもん!ベジタリアンかよ。第一先日の夕食平気で豚肉食べてなかった?

 まあ、そんなこんなでお金不足も込み…今日が最後の買い物になりそう。何かで稼がない限り。

「じゃあ、とりあえず食材を売ってるところを探そうか?」
「はい!宿も探します!行ってきます!」

 って勝手にいかないで!!全くもう…。いつもこうなんだから。

 それにしても、既に僕は栄養失調気味…もう走れない。あの子の元気はどこから来るんだろう?

 あー、と言うかもうなんか住人取っ捕まえて聞いてるし…僕には真似できないよ。あの子のコミュ力どうなってるんだろう。

 …うん?何か話し込んでいるみたい。行ってみるか。

「見かけない子だね。どこから来たんだい?」
「はい…何処からでしょうか?」
「え?」

 あ、そう言えば…僕の故郷ってどういう土地の名前なんだ?まあ、とりあえず会話に参加するか。

「あ、僕達は結構遠いところから来まして…1週間位歩いてここまで来ました。」
「1週間!?それはまたずいぶん遠くから…旅のものですかい?」
「そんな感じです。あの…何処かに食料を売っているところはありませんか?最近雑草ぐらいしか食べてなくて…」
「え?ちょっと待て。旅するならば食べ物ぐらい…」
「既に尽きました。持っている限られたお金で町や村を通る毎に補充していたのですが、もう限界のようです。
 まあ、ここで最後に何か買った後…何か稼げれば良いのですが、無理でしたらまた雑草暮らしを続けながら次の村か町に向かおうかなと。」

 実際もう限界が近い。そもそも論僕は生きることさえどうでもよくなりつつある。だから旅に出てこっそりとか思っていたのにアマミちゃんがついてきてしまった。彼女を巻き添えにするのは本当に申し訳ない。

「ミズハさん?今日はここの村で止まりたいです!たまにはゆっくり休みたいです!」

 とは言われても…

「一応聞きたいのだが宿に泊まれるのか?」
「えっと…まあ、費用はないって言うか…稼げればワンチャンあるのですか。」
「今日は泊まります!もうずっとお風呂に入っていないです!」

 あわわ!それは僕も気にしてるんだから言わないで!

「…あー、ちょっと今日は私の家に泊まっていかないか?」

 え?

「あれだ。妻と二人暮らしでな。息子らは既に都会に出てしまってな。たまには賑やかな…」
「お、お願いします!…あ、だけど家賃が…」
「いや、1日ぐらい気にしなくて大丈夫さ。ただ…」
「ただ?」
「事情を聞かせてほしいな。十代後半の青年と前半の少女が二人で旅するなんて何かしらあるんだろ?
 なに、私は手を貸したいだけだ。」

 うーん。事情らしい事情は無いんだけど…。ただ、断れない。僕はまだしもアマミちゃんが我慢の限界。

「はい!よろしくお願いします!」

 アマミちゃんも即答か…まあ、警察じゃないんだし尋問はないかな。

 ということで、恐らく50代位のおじさんの後を付いていくことに…。
5:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/12/15 (Sat) 08:24:08

「ここだ。妻に話してくるからちょっと待ってな。」
「はい!」
「わかりました。」

 にしても助かった。取り敢えず今日は持ちそうだ。流石に明日も泊まるわけにはいかないが、暫し大きな休憩が取れる。今までは野宿だったからろくに休憩していないんだよね。野生生物に襲われる心配もあったから僕は気配を展開して回りを監視していたこともあったし…今日はそれをしなくて済む。

「今日は一杯休みます!明日も元気に冒険です!」

 さっき今後の旅について物凄く嫌そうな顔していなかった?

「アマミちゃん、ごめんね。早々からこんな大変な目に…」
「大丈夫です!今日は思いっきり休めますから!」

 それ解決策になってる?死が1日後ろ倒しになっただけだよ?

「あらー、お若いのに旅なんて…無謀なことをするものね。ほら、上がって上がって。これから買い物に行って来るわ!」
「おう。すまないな。」
「いいのよ。たまには賑やかってものも必要でしょう?貴方も息子達に早く独立して出ていけって言っていた割には、出ていったら萎れちゃって。」
「………」

 どうやら夫婦結果は妻の勝利のようである。うん?これは夫婦喧嘩ではないのか?知らない。

「アマミです!今日はよろしくお願いします!」

 挨拶早!いいなあ。僕もこれぐらいコミュ力があれば…

「ミズハと言います。お手数をお掛けして申し訳ありません。本日はよろしくお願いします。」
「あらー、かしこまらなくていいのよ。じゃあ貴方。この子達を宜しくね。」

 妻の方はそう言って出掛けていった。

「うん?妻も言っておっただろう。早く入りな。立っていては疲れるだろう。」
「あ…じゃあ、お言葉に甘えて…」
「久しぶりのお家でーす!!」

 ちょっとアマミちゃん!はしゃぎすぎ!ここはよそ様の家だよ!

「あ、アマミちゃん!?」
「気にしなくていいぞ。その子の年頃的にはまだはしゃぎたい気持ちも残っているだろう?」

 いや、それは年齢的問題より性格的問題だから。明るい性格だけど色々扱いにくい子だから。大変だから!

 そんなこんなで靴を雑に脱いで家の中へ駆け込む少女を眺めながら靴の整理整頓をしておく。

 そして居間に案内された。これはソファーかな?

「ここに座りなさい。疲れているだろう?」
「ありがとうございます!うわ、柔らかいです!気持ち良いです!」

 おい寝転ぶな。私が座れない…と言うよりソファーが汚れるからやめて!僕達着替えの服とか持ってきていなかったから1週間前から同じ服なんだよ!野宿もしてるんだよ!汚いよ!と言うかもう汚れちゃってるんだけど!

「あ…あの…僕は汚れているので立ったままで良いです。アマミちゃんがソファーを汚してしまって申し訳ありません。後に弁償しますので…」
「あー、気を使わせてしまったようだな。気にしないでくれ。君達の外見から既にボロボロの服を着ていることぐらいわかってるさ。」

 ボロボロか…実際穴とかは空いていない。ただ汗や泥で汚れているだけ。だけど流石に清潔からはほど遠いか…。

「そんなに気を使うなら先に風呂にでもはいるか?着替えなら…ちょっとお前達には大きいかもしれないが息子達の寝間着服はある。
 アマミだったかな?女の子の服はないから我慢してもらいたいが…」
「大丈夫です!嫌ですけど、我慢します!」

 おい!本音駄々漏れにするな!…因みに僕は男装しているけど女子なんだよね。まあ、男物の服には慣れているから気にしないけど。いつも男子の服着てるしね。

「すいません。ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。
 アマミちゃん。あまりわがまま言っちゃいけないよ。と言うより言える立場じゃないよ。」
「ムーです。」

 ほっぺを膨らませたアマミちゃんはかわいい。これ鉄則。

「じゃあ、そっちに風呂場があるから入ってきなさい。」
「何から何までありがとうございます。アマミちゃん、先入る?」
「はい!行ってきます!」

 別に走っていかなくても…。と言うより着替えは?

「入っている間に着替えを持ってきておくから待っててな。」

 あ、気を使ってくれてありがとうございます。

 まあ、そんなこんなでどっちも入浴を済ませました。何でも、今まで着ていた服も洗濯してくれるとのこと。有難い…んだけど。

「あの…洗濯していただかなくても。僕達明日には…」
「なら明日ぐらい休んでいきなさい。ずっと旅を続けていて休んでいないんだろう?」
「そうですけど…あまり迷惑をかけるわけには…」
「帰ったわよー。」

 奥さんが帰ってきたようだ。因みに奥さんと言う言葉は差別用語らしい。噂によると妻も差別用語?男女の差別をしないためには配偶者と呼ぶべきなんだって。そんな夫婦は見たことない。

「ああ、お帰り。なあ、この子らについてなんだが…」

 旦那さんが妻の方に行き向こうで話し合っている。

「良いわよ。明日はゆっくり休んで明後日に出発しなさい。」
「え、だけどご迷惑が…」
「気にしなくて良いわよ。今日はゆっくり休んで明日旅の事についてゆっくり聞かせてちょうだい。」
「あ、はい。」

 結局尋問を受けることには変わらないらしい。取り敢えずネタは作っておこう。まあ、アマミちゃんは正直すぎるからあまり逸脱した内容は作れないかな。嘘つけとは言えないし…と言うか従わないし。

「じゃあ、夕食ができたら呼ぶから待っててね。」
「はーい!」

 元気だなあ、アマミちゃん。

「ミズハさん!」
「うん?どうかしたの?」
「この服ブカブカすぎます!転びそうです!」

 うん。知ってた。袖も裾も普通にアマミちゃんの体にしては大きすぎる。私だって若干大きいと感じてる。

「済まないね。息子はミズハさんよりも20cm位大きかったからな。」
「そうなんですか。」

 180cm越えか。でかい。化け物だ。

「すごいです!恐竜さんです!」

 それはでかすぎる!

「はっはっは。」
「夕食できたわよー?」
「あ、はい。何から何までありがとうございます。」
「いえいえ、困ったときはお互い様よ。」

 取り敢えず助かった。次いでにもう1日居させてくれるらしい。とは言えタイムリミットは1日。それまでの間にお金を収入しないと3日持たない。出来ればこの村でお金を稼ぎたいが…とは言え結局この村の宿か何かを使えば結局貯まらない。何とかせねば。

 夫婦達は僕らが今日疲れていると判断したのか食事中特に僕らを質問攻めにするようなことはしなかった。まあ、僕もアマミちゃんも久しぶりのまともな食事でがっついていたからね。しょうがないね。

 と言うことで、特に何もなく一軒家で一晩過ごし…翌日も朝食を頂き、洗濯物は折角洗ってもらったので干すのは手伝ったりした。が…

「あわわわわ!!!」
「あらあら大丈夫?無理してそんなに運んじゃダメよ?」

 ドジっ子には洗濯物は運ばせない方が良さそうだ。今日の教訓。
6:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/12/24 (Mon) 17:30:27

 因みに今日はこの夫婦の息子さん達のお下がりを来ている。寝間着同様ブカブカなためあまり動きたくはないが…それでも動こうとするからこうなる。

 なおアマミちゃんは、服はさておきつば付きとんがり帽子は被ったままである。流石にこれは洗濯とかの話じゃないからね。

 そんなこんなで昼食時…なお、どうやら今日は休日らしく夫婦ともに家にいる。既に僕らは日付感覚が狂っているので休みなのかもといったことしかわからないんだけどね。

「その帽子はお気に入りかい?」

 旦那さんの方から質問が来た。

「はい!魔女さんはいつもこんな帽子を被ってるんです!私も魔女だから常に被るんです!」
「そうかそうか…うん?魔女?」

 あ、余計な情報が漏れたか?

「魔女ってあの…人間の村とかを襲ったりする…」

 そうなの?!いや、例えそうだとしても少なくともこの子はしないよ?!

「そうなんですか?!魔女さんは村を襲わなくちゃいけないんですか?!」

 それは絶対に違う。

「あー、えっと…この子は色々あって魔女だと思うけれど…別に誰かを襲ったりしないから安心してください。
 それとアマミちゃん?誰かを襲っちゃダメだよ?」
「そうなんですか?!」

 そうだよ!

「わかりました!襲い方もよくわからないですしそうします!」

 いやいや、襲い方がわかっても襲っちゃダメだよ!

 でもそう言えば、アマミちゃんが魔法を使うのは見たことがないなあ。

「そうか…。いや、まあ…こんなに若いんだ。まだそこまで良いことも悪いことも分からないだろう。いいかい?悪い魔女になっちゃダメだぞ。」
「はい!悪い魔女がなんだかわからないですが頑張ります!」

 分からないなら頑張り様がないだろ!

「でも、本当に魔法が使えるの?私、結構生きているけれど魔法なんて殆ど見たことがないわ。」
「そうだな。何か見せれるものはないのか?」

 殆ど?全くじゃなく?使える人は他にもいるのかな?

「うーん…魔女なんですけど魔法を使ったことがないです!」
「そ、そうなのか!?」

 多分そうだと思う。僕も魔女のアマミちゃんが何かをつかってるところは見たことがない。

「…あ!そうです!いいこと思い付きました!」

 うわ、嫌な予感しかしない。

「えっと、その腕の傷見せてもらえませんか?」
「うん?ああ、これは古傷だ。昔下手に挟んじまってな。それ以来傷跡が…」
「じゃあこうします!」

 アマミちゃんが自分の手の平を彼の古傷に当てている。治療でもするのかな。逆にここで手から破壊光線的なものがでたら鬼畜過ぎるが…

「痛いの痛いの飛んでけです!」

 はい?それ古傷だよ?!既に痛みぐらいは退いてるはずだよ?!ほら、夫婦揃って顔をしかめてるよ!

「出来たです!」
「うん?…おお…」
「どうなった?」

 私も気になってその古傷を見てみようとしたら…完全に消えている。マジか。

「う、嘘みたいだ。完全に治ってる。」
「す、凄いわ!本当に魔女なのね!」
「えへへです!恩返しです!」

 これが魔女の力?うーん、なんか突っかかる。と言うよりさっきの発言が呪文とか言わないよね?あれは普通におまじないだし…あれで怪我が治るなら病院要らないよ?

 そう言えば、アマミちゃんが手を当てたとき若干手の平が明るくなったように見えた気がする。あくまで気がする。多分魔法行使と言うやつだろうか?

「魔法ねえ。最後に見たのはいつ以来かしら…。」
「魔法ってそんなに使える人がいるのですか?」

 実質、アマミちゃんが例外だと思っているんだけど。

「あら、勿論誰でも使えるものではないわ。私も旦那も使えないし。でも使えると便利そうよね。」

 まあそれは便利だと思う。

「でも、稀に使える方もいるのよ?噂では少し先の都会でそう言うのを養成している学校もあるって聞くし。」

 そんなのもあるのか!?じゃああれか?そこにいけば誰でも魔法を使えたりするのか?

「養成してるって言っても元々素質があるやつ以外魔法は出来ないと思うがな。さっき妻が言った通り魔法なんて誰でも使えるわけではないからな。」

 まあそうか。まあ、仮に何かしらで行く機会があれば調べてみることにしよう。

「養成学校か。因みにアマミちゃんは行ってみたい?」
「え…学校ってなんですか?」

 駄目だ。以前問題の話だった。

「ところで、どうして旅なんかしようと思ったんだい?この子が魔女だからとかか?」
「あ、いえ。元々僕一人で一人旅の予定だったのですが…この子がついて来ちゃいまして。」
「そうなの。因みに兄妹?兄妹ならミズハさんも魔法が使えるの?」
「いえ兄妹ではないです。」

 魔法は使おうと思えば使えると思う。だけどそれは言わない。

 元々僕は魔女でも何でもないので魔法なんて使えない。だけど、僕には他人の力や能力を奪い行使できる能力がある。それを応用すればアマミちゃんが側にいる以上恐らく可能。

 とりわけ、この世に他にも魔法が使えるやつが存在するのであればアマミちゃん無しでもいける。ただ…僕のこの能力がこの世で存在するのか、はたまたレア中のレアでバレると大変なことになるのか分からないから言わない。

 アマミちゃんは勿論僕の能力のことは知っているけど流石に話題に出ない限りは言ったりしないだろう。フラグじゃないからね。

「違うのかい?じゃあどうしてまたついていこうと思ったんだい?」
「独りぼっちは寂しいです!だからついていったんです!」
「そ、それだけかい?」
「はい!」

 いやもっと色々ありそう…いや、本当にそうなのかもしれない。ここはアマミちゃんじゃないからわからない。

「僕は色々この世の中の生き物について興味がありまして…それを調べるために旅をしています。」
「あら、じゃあもしかして研究者か何かなのかしら?」
「そう言うわけではないのですが、まあ趣味の範囲内です。
 ただ、旅を決心して旅立ったは良かったものの、費用不足と食料不足に悩まされるとは考えていませんでした。あまり不馴れなものは行うべきではないですね。」
「そうか。まあ、まだ若いんだ。今のうちに失敗しておけ。私も若い頃は旅に出たいと憧れたもんだ。そういう意味では良い経験をしていると思うぞ。」

 良い経験か。既にこのままいけば数日持たずアマミちゃん共々共倒れになるけど。

「それでだ。流石に何日も面倒は見れないが、お金を稼ぐ方法ならあるぞ?」
「え!?」
「ああ、さっき私も旅をしたいと思ったことがあると言っただろう?実はそれがあって登録したものがあるんだ。」

 登録?
7:エナ◆y5SZb1A4LI :

2018/12/27 (Thu) 23:18:05

「ああそう言えば貴方、冒険者ギルドに登録していたわね。私と結婚してから殆ど出掛けなくなったけど。」
「まあ、安定はしていないからな。家庭を持つ過程で冒険者をやめ定職に就いたがな。
 ただ、定職についちまうと安定の代わりに高利益も得られなくなったのは残念だったが…。」
「冒険者ギルド?」
「そうだ。知らないのか?折角だ。昼食の後教えてやる。なんなら案内しても良いぞ。」
「ではお願い…あの、それってこの村にあるんですか?」
「ある。まあ、もう10年以上行っていないがな。」

 冒険者ギルドか。全く聞いたことないな。冒険者が集まる場所?あ…だけど…

「すいません。概要には興味がありますけど、案内は明日早朝にしていただけないでしょうか?」
「うん?午後から何かあるのか?」
「いえ、ただ…この服装で今日は歩き回りたくないと言うか…。」

 さっきからずっと気にしているけど、この服ブカブカだからね!アマミちゃんなんてもうずっと引きずっちゃってるからね!

 …ドサッ!

 言ってる側からアマミちゃんが転けたのですが!

「大丈夫?」
「大丈夫です!」
「頭から血が流れてるよ!」

 手が服から出ないからって頭から地面につけて良い訳じゃないよ!大怪我するよ!

「大丈夫です!こうして手で傷を押さえるとー、元通りです!」

 色々たくましいな!いやいや回復魔法の乱用はやめよう?

「不思議な子ね。」

 もう突っ込みは放棄する。疲れた。

 それでもって昼食後ギルドについて簡単に教えてもらった。話によると冒険者以外にも色々と種類があるらしい。ただ、僕達は旅をしているので冒険者ギルドであれば旅の途中で依頼とか納品物等を納めれば一応お金になる。まあ、簡単なものは無いと思うけど餓死するよりは掛けてみる価値はある。

 話を聞くとランクと言うものがあるらしい。教えてくれたこの旦那さんはDランクだそうだ。基準はよくわからないけど…まあ、素材回収系なら一通り行えるレベル?勿論強い野性動物とかを狩れるとなるともっとランクが上がるらしいが、D程度であれば基本人間に害は与えないレベルの生物の狩りらしい。

 まあ、どうでも良いけどその冒険者うんちゃらがこの村にあり登録できるそうだ。昔と登録方法が変わっていないのであればこの旦那さんに教えてもらえば登録できるはず。

「私もやってみたいです!」
「え?」

 アマミちゃんもやる気なのか?!いや、なんか場合によっては危ないものもあるらしいし…。

「ミズハさんだけはズルいです!」

 もう理由がよくわからないよ?ズルいって何?抜け駆けするつもりはないよ!?

「アマミちゃん?流石にその年齢じゃ危ないかもよ?」
「そうだな。確かに登録年齢に制限はないが私も10代後半で登録したしな。」
「はい!だったら参加できます!」

 二人ともフォローありがとうございます。そして余計な情報は要らなかったかな…。

「すいません。こうなってしまうとこの子言うことを聞かないもので。ですから僕の旅にも付いてきてしまって…」
「ミズハさんも苦労されているのですね。」

 はい。

「まあ、危険な物を受けなければ大丈夫だろう。この様子じゃあミズハ君がやると言ったものだけやる雰囲気だしな。
 収入においては物によってピンからキリまである。具体的なことは明日ギルドにいってから教えてやるからそれまで待ってな。」
「わかりました。」
「はーい!」

 お金を稼ぐためと考えている僕だけど多分アマミちゃんはお遊び感覚なのかな。依頼を受けるときは僕がちゃんと見極めないといけないかな。無茶な依頼を受けて死んでしまっては元も子もない。

 まあ、こんな感じで情報提供と情報収集は終わって取り敢えず明日までは体力回復と明日以降の計画立てをすることにした。出来るだけ安全且つ確実的に収入を稼がなくてはならない。まだ冒険者うんちゃらに行っていないので何があるかは全くわからないが予測しておくだけで何かは変わると思う。多分。

 それに、出来れば多額は無理でも収入を稼いだらお世話になったこの夫婦に若干でも家賃を入れておきたいと思う。2人日分は多分無理だろうがそれでも形だけでもやっておきたい。

 そう思いながら夕食を食べ入浴し就寝した。で、次の日…

「じゃあギルドに案内するから着いてきな。」
「よろしくお願いします。」
「ギルドってなんですか!」

 忘れるの早!もう突っ込まないよ?!

 僕らの服は綺麗に乾き、痛んではいるものの汚れは殆ど完全に取れている。まあ、穴とかは空いていないから問題はないけど…回りから見たら若干貧乏臭いように見られるのかな。勿論、アマミちゃんはとんがり帽子、もう魔女帽子って言うよ、も被っている。

 どちらにしても新たなものにチャレンジするのは一種の新鮮感があってワクワクする。最も冒険者なんちゃらで今後地獄を見るかもしれないが…

「着いたぞ。」
「結構大きい建物です!」

 そうかな?まあ、施設なんだからそこいらの家よりは大きいか。

「えっと、扉が閉まっていますが入って大丈夫でしょうか?」
「ああ、問題ない。」
「楽しみですー!」

 ちょちょ、先いかないで!僕はコミュ障だからよくわからない施設にはいるのには勇気が…ってもう入っちゃってるし。アマミちゃんのそう言うところは尊敬するよ。

「ははは。元気がよくて何よりだ。」
「そ、そうですね…。」

 入ってみると意外に人が多い。結構人気のバイト感覚なのかな?チラチラこっちを…違う、アマミちゃんを見ている方もいる。まあ、場違いか。

「おお、久しぶりだな。」
「やあ、元気かい?」

 先ほどの旦那さんは誰かと話し始めた。多分旧友か何かだろう。僕やアマミちゃんは全くわからないので彼の後ろで様子見している。

「いやはや、どっちも若いねえ。特にお嬢ちゃん?あまり若くしてやるようなものじゃないよ?」
「えー、面白そうです!」
「あはは…。」

 もう笑ってごまかすことにする。僕もアマミちゃんがこんなことを行うのは若すぎると思うが彼女意外に頑固だから説得するのは諦めた。

「それでだ。そっちに受付があるから登録してもらえるぞ。まあ、手順がよくわからないだろうから私も付き添う。」
「あ、ありがとうございます。」

 旧友と話ながらもこっちの手続きも手伝ってくれるらしい。こう言うときに伝があると非常に助かる。
8:エナ◆y5SZb1A4LI :

2019/01/07 (Mon) 21:57:22

「はい。こちら受け付けになります。」
「おう。すまんが新規で冒険者ギルドに登録させたいんだが。」
「させたいですか?どちら様でしょうか?」
「ああ、こいつらだ。」
「ミズハです。」
「アマミです!宜しくです!」

アマミちゃん。年上だよ。もう少し敬語使おう?

「え…そちらの方はまだ12~3歳程度ですよね?大丈夫ですか?」
「何、別に登録しても素材探しぐらいなら出来るだろう。どのみちこのミズハと一緒に旅しているみたいだから、独りで依頼を受けるなんてこともあるまい。その為に年齢制限も付けていないんだろう?」
「まあ、確かにそうですね。わかりました。それでは簡単な書類を書いてくれませんか?書類が書けないようでしたらご連絡ください。」

 書類が書けないって?怪訝そうな顔をしてたら旦那さんが教えてくれた。

「ほらあれだ。冒険者になるために文字の読み書きは必須じゃない。まあ、大抵は書けるがたまに物凄く貧乏等で教育を受けずに出稼ぎで登録するやつもいるからな。」

 成る程。そういう意味だと僕らはまだ恵まれている方なのかな。いやいや、元々旅なんてしなければこんな貧乏生活になるはずはない。僕らはある意味で例外。

 取り敢えず書類を書いてみよう。アマミちゃんがすごく複雑そうな顔してるし。

 書いてみるとこんな感じになった。

------------------------
名前:ミズハ
年齢:(空欄)
職種:(空欄)

以下略
------------------------

 いや、だって書くことないもん。年齢は企業秘密にしたい。でも容姿的には17~18位かな。

「ミズハさーん。何て書けば良いか分からないですー!」

 うんごめん。僕もわからない。アマミちゃん年齢いくつ?容姿的には12~13位だと思うけど。

 職種って言われても働いていないしわかりません。

「なんだ?空欄だらけじゃないか?文字書けないのか?」

 書けるわ!

「あ、いえ…なんと書けばよいか全くわからなくて。」
「どうかなさいましたか?」

 受付の方が来てくれた。どうやら新人は皆こんな感じらしい。

「わかんないでーす!どうにかしてください!!」

 誰にお願いしているんだろう。

「あー、それですね。最低限名前さえあれば残りはこちらで手続き致しますので…年齢も書けませんか?」
「ごめんなさい。僕はあまり個人情報を書きたくないもので…」
「分からないです!無理です!」
「おいおいそれぐらいは良いだろう?こういう書類はちゃんと書くものだぞ?」

 僕が年齢を書きたくない理由は幾らかあるが一番の原因はアマミちゃんが年齢を書けないと言うところにある。これは間違えないと思うが、アマミちゃんは魔女と言うところもあり見かけと年齢が噛み合っていなくてもおかしくはない。でも、だからアマミちゃんだけが年齢を書かないと理不尽になる。

「自身のご年齢が分からないのですか?」
「えっと、僕は大体予想がつきますが…この子は本当に分からないと思います。」
「そうなのか?」

 なんと説明したら良いんだろうか。

「あまり細かいことは話せないんです。ただ、この子か年齢を書けなくて僕だけ書くと何となく仲間はずれになりそうな気がして。」
「そうですか。それでは大体の年齢をお書きください。あまり逸脱していなければ構いません。」

 結構適当だな。それで良いのか?まあ、情けで通してもらえるならそうしよう。もしかしたら、こういうギルド系では自身についてよくわかっていない方も登録しに来るのかもしれない。

「わかりました。では自身は18歳と記入します。アマミちゃんはそうだね。大体12歳にしておこうか。」
「わかりました!」
「18か。やはり旅立つには早いと思うがな。」

 結構そこを気にするんだ。まあ、いいや。世間一般ならそうなんだろう。世間なんて知らない。

「職種についてですが何かご要望はありますか?」
「ご要望とは?」
「はい。冒険者に成るに辺り出来ればやってみたい職業を記載していただきたいです。昇格するためには何かしら記載している必要があります。
 勿論途中で変更しても構いませんし、複数を兼任することもできます。但し、メインを変えるのであればそれに伴いランクも変動する可能性もあります。」

 なんだか色々面倒くさいな。

「いえ、大丈夫です。取り分け昇格には拘りはありませんから。」
「しかしだな。何かを決めておいた方がよいぞ?稼ぎたいのだろう?ランクが高い方が収入も増えるってもんだ。信頼も増えるからな。」

 うーん、そう言われると考えた方が良さそうだが…いきなり職種と言われてもわからない。

「職種って具体的にどの様なものがあるのですか?」
「そうですね。例えば剣を主に戦う剣士とか槍を中心に戦う槍士とか…」

 あー、そう言う系か。じゃあ要らないわ。別にやりあうつもりはないし。

「じゃあ大丈夫です。僕は戦うのは苦手ですから。」
「おいおい、戦わないと冒険者はやっていけんぞ。少なくとも素材回収で獲物を採ると言うことは…」
「嫌です!動物さんを苛めてはいけません!」
「え…?」

 アマミちゃんが明後日の突っ込みをいれた!

「あ、ごめんなさい。アマミちゃんはこう言う性格なので…」
「ウサギさんがかわいそうです!」

 なぜウサギが出てきたのかな?

「あー、えっとだな…」

 ほら旦那さんもパニック起こしてる!

「まあ、今現在すぐに決めろと言うわけではありません。実際に冒険者を行っていく上で回りの方々を見てやりたいものがあれば再度報告してください。」
「わかりました。」

 やりたいことか…。うーん、どうだろう。さっき旦那さんが言っていたが職種を決めないとランクが上がらず収入が増えない。別に金持ちになりたいわけではないけど流石に毎日雑草暮らしは避けれるぐらいの収入は必要か。

「アマミさんは何かご要望はありますか?」
「私ですか?なんの話ですか?!」
「そこに書いてある職種の話だよ。」

 一応話は聞いておこう?まあ、僕も興味ないことはスルーするので人の事は言えない。

「職種ってなんですか?」
「うーんと…まあ、やってみたいことかな。アマミちゃんは何をやってみたい?」
「はい!魔法を使って皆さんを助けたいです!」
「魔法?」
「ああ、この子は魔女らしい。あくまでアマミとミズハの話を聞く限りなんだが。」
「魔女ですか?あの、ちょっと気分を損ねると世界が火の海になると言う…」

 ちょっと待って?何?魔女ってそんな危険な生物なの?怖いよ?常にアマミちゃんと一緒にいるけどこの子将来本当にそんなことするの?

「あー、いや、見たところまだ子供らしい。それに数日過ごしているが魔女の帽子を被っていること以外は普通に只の女の子だ。そんなに気にしなくても大丈夫だとは思うが。」
「そうですか。まあ、近所に魔法使いが住み着いていると聞いたことがありますし問題はないですかね。」

 何その情報?また怪訝そうな顔をしていると旦那さんが教えてくれた。僕自身は感情をあまり顔に出さないタイプなんだけどこのおじさんは結構読み取っている。逆にすごい。
9:エナ◆y5SZb1A4LI :

2019/01/13 (Sun) 11:28:01

「ああ、まあ気にするな。昔からある噂だ。実際森の奥で稀にここいらにいない男性を見たという証言がたまにあるんだ。私達とは結構異なる服を着ているらしいからそう呼んでいるだけで別に魔法使いと決まったわけではない。」
「じゃあどうして魔法使いという噂なんですか?誰かが住んでいるとかじゃなくて。」
「彼もこの子同様魔法は使えるらしいんだな。ただ、都会にも魔法が使える魔術師はいるがさっきも言ったが服装に違和感があるらしい。だから魔術師じゃないんじゃないかとか言われている。他にも理由はあるんだが、まあきっかけがあればまた話してあげるよ。」
「そうですか。」

 魔術師が魔法を使えることはわかる。おそらく魔法使いも魔法が使えるんだろう。だけど先ほどの説明ではその違いは服装だけみたい。じゃあアマミちゃんも服装の違いだけで選別されるのだろうか?

 いや、それはなくないかな?だってこの子魔女帽子以外服装もいたって普通だよ?じゃあいったい何が違うんだろう。そこら辺の定義もガバガバなのかな?

「あのー、職種には何て書けば良いんですか!?魔女でよいですか?!」

 おっと、アマミちゃんのこと忘れてた!

「あ、魔女という職種は冒険者ギルドにはありません。」

 え、そうなのか。

「アマミさんが魔法を得意とするのであれば魔術師とお書きください。ところで魔法は使えますか?
 剣士や弓士等は例え初心者であっても練習することにより上達することは出来ますが、魔術師の場合魔法が使える素質がなければどれだけ努力しても出来るものではありません。
 また、魔法が使えても威力が弱い場合は他の職種をおすすめします。やはり魔法の力は努力でどうにか出来るものではありませんので。」

 そうなのか。まあ、確かに剣術とかは習えばどうとでもなるかもだけど、魔力なんてトレーニングで出来るようなものじゃないしね。もし努力して誰でも出来るならおそらく誰でも最低限の魔法は使えるように成るに決まってる。剣士じゃなくても剣ぐらいは誰でも持てるからね。

「分かんないです!」

 アマミちゃん?そこを強調してもなんにもならないよ?

「うむ。確かにこの子は魔法を使えることは間違えない。私の古傷の後も消してくれたしな。ただ、それだけで魔術師になれるかどうかは分からないな。」
「私は魔女です!そのまーえっとよくわからないのじゃないです!」

 まーえっとじゃなくて魔術師ね。アマミちゃんには難しい言葉なんだねきっと。

「その魔法はどういったものですか?」
「ああ、詳しくは知らないんだが…」

 受付と旦那さんが詳細を喋ってる。その横で様子を見ていた旦那さんの旧友はずっと盗み聞きしているみたい。後、ギルドにいる他の連中はちらちらアマミちゃんを見ているみたい。魔女という言葉が聞こえてしまったからだろうか?

「ミズハさーん!書き方わからないです!職種のまーなんとかってどうやって書くんですかー!?」

 ちょっと待ってね。今そっちで話し合い…うん?

「アマミちゃん。念のため聞きたいけど魔術師って書ける?」
「まじゅつしですか?はい!書けます!」

---------------------------
職種:まじゅつし
---------------------------

 うん知ってた。駄目だ。僕が代わりに書くことにしよう。

「それは本当ですか?」

 うん?向こうで進展があったみたい。

「ああ、私も魔法は詳しくないから分からないが少なくともあの子は呪文を唱えていなかったぞ?最も、『痛いの痛いの飛んでいけ』が呪文ならば話は別だが。
 それに、自身が怪我したときは呪文らしい呪文も唱えていなかったな。」
「無詠唱魔法ですか。わかりました。」

 無詠唱魔法?なんだそれ?うん?急に周りがザワザワし始めたんだけど?

「アマミさん。職種には魔術師とお書きください。それと、ランクですが飛び級になるかもしれません。」
「飛び級ってなんですか?!」

 マジか!?

「ああ、飛び級って言うのは言葉の通りのことだ。普通初心者はEランクから始まってその職種に慣れてからDランクに上がる。
 君の場合はもう十分に慣れているからDからでも問題ないと言う…」
「いえいえ、確かに今回はDから始まると思いますが直ぐにCへ、場合によってはBになる可能性もあります。」

 なんだって!?!色々飛躍しすぎだろ!!そんなランクってガバガバ過ぎるのか?アマミちゃんがそんな簡単に昇級できたら世の中もっと上のランクだらけになっちゃうよ!

「Dってなんですか!?」

 場違いがいたんだけど!!

「す、すいません。確かにこの子は魔女ですけどだからって冒険者のランクってそんなに簡単にコロコロ変わるものなのですか?」
「本来はそう言うことはありません。ただ、無詠唱魔法は平均的な魔術師では出来ないものなのです。大抵の魔術師は魔法を放つ際必ず呪文を唱えます。唱えなければ魔法の威力が低くなり、又は魔法が出ず意味がないからです。
 それが簡単な回復魔法とはいえ…いえ、古傷といった治しにくいものを治すとなると簡単ではないのですが…しかもそれを無詠唱擬きで行えるとなるとCランクでもおかしくなってしまいます。
 ただ、アマミさんは初心者でありますから経験の都合上いきなりCでは厳しいと思いますので…とは言え少し慣れたら直ぐに昇級になると思います。自身の力にそぐわないランクを持つのは他の冒険者とギルドが揉める原因になります。」

 うーん。なんだかよくわからないけど大人の事情と言うやつだろうか。まあ、そこのところは任せよう。取り敢えず冒険者登録できれば後はなんでもいい。あくまで目的はお金稼ぎなんだから。

「アマミちゃん。その書類貸して。僕が書くよ。」
「え?大丈夫です!自分で書けます!」

 書けないじゃん!魔術師って書けないじゃん!平仮名だったじゃん!と言うかさっきから分からないって叫びまくってたじゃん!

「ミズハさんが意地悪ですー!ムーです!」

 ほっぺを膨らませるアマミちゃんは可愛い。これテストに出るからね。

「アマミ、ミズハに任せた方がいい。さっきから書類を見ているが平仮名だらけじゃ流石に読みにくいと思うぞ。漢字の勉強はしたことあるか?」
「ありますよー!一とか二とか書けます!頑張って覚えるんです!」

 うん。ごめん。自慢になっていない。まあ、年齢的に複雑な漢字は書けないとは思う。最も見かけで判断してるけど。

 そんなこんなでアマミちゃんが強情を張って仕方がないので一緒に書きました。

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